神様に見捨てられた世界で生きる僕ら
悔しさだけが、心を占めていた。
醜い嫉妬。
普段、ちなみの前では見せること無い黒い、黒い部分が滲み出る。
幼馴染みという関係に、傲れていた。
学校の友人達よりも、
誰よりも、ちなみの傍に居る。
そう、自分でも思っていたのに。
今日会った其奴は、まだ一日しか経っていないはずなのに、
ちなみの隣にいることを許されていた。
俺が、長年掛けて築き上げた関係を、
あっさりと、意図も容易く築き上げた其奴。
巡るばかりは、醜い嫉妬から生まれた思いだけ。
浮かんでは消える、
俺の初恋相手の笑顔だけ。
何時からか笑顔を失ってしまった、
小さな少女だけが、俺の心を占めていた。