神様に見捨てられた世界で生きる僕ら
霞む思考、忘れられない太陽...ちなみ視点
何時からだったか
あたしの隣には
彼が居るのが当たり前だった
何時も、あたしの隣で笑っていてくれた
だから、
今日の去り際の彼の顔が忘れられない
*ちなみ視点*
「はぁ」
あの後。
いつもの差し入れを受け取る少し前。
そうだ、
千夜と、挨拶を交わしたとき。
その時から、圭の様子がおかしくなったんだ。
挨拶もそこそこに、差し入れを押しつけて帰ってしまった。
あの時の表情、今まで見たこと無い。
信じていた何かを、
唯一の物だと思っていた何かを、
自分だけの物だと思っていた、何かを
他人に奪われたような。
世界の終わり、
絶望したような、顔だった。
「・・・圭」
ねぇ、何かした?
あたし、貴方がそんな顔をすること、何かしちゃったの?
そんな顔、しないで頂戴。
何時も笑顔だった圭がそんな表情だと、嫌だよ。
何時も、隣で笑っていたはずなのに。
この世の終わりみたいな、哀しい顔じゃなくて、
笑顔の圭が、
太陽みたいな笑顔を見せる圭が見たいよ。