神様に見捨てられた世界で生きる僕ら

「もう、良いから」

「どうしてッ・・・お父さん、たちなのぉ・・・・・・?」

「泣いても、良いから」


「あたし、イイコで待ってたのにッ」

「独りで、頑張ったのに」

「寂しいって、帰ってきてって、ワガママ言わなかったのに・・・」





「どうして、お父さん達が死んじゃったの・・・?」

「あたし、神様に嫌われるような事、しちゃってたの・・・?」





「お前は、独りで、頑張ったよ!!」

「泣き言一つ言わねぇでっ、寂しいそぶり一つ見せねぇで」

「親父さん達は勿論、俺の母さん達にも弱音吐かねぇで」





「十分頑張ったから!!」

「お前は神様に嫌われること何一つ、してねぇから!!」





「じゃ、じゃあどうして・・・?!」





駆けつけた圭は、泣き始めたあたしを抱き締め、

この世から身を隠すように、包んでくれて、


広い背で両目を覆い、

大きな手で両耳を包んで、


あたしが話すことを、泣き言を、

受け止めてくれて、全て包み込んでくれて


キツクキツク、だけど壊れ物を扱うように、抱き締めてくれた。


「神様なんて、最初からこの世に居ねぇんだよ」

「居たら、ちなみからおじさん達を奪う筈ねぇだろ?!」





「ちなみが悪いわけねぇだろ」

「おじさんたちの事故は、この世界に神様が居ないからだ」

「だから、自分を責めるなよ」

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