神様に見捨てられた世界で生きる僕ら
「おばさん達の分は冷蔵庫に残ってるから」
「おぅ、なんか逆に悪いな」
「いいよ、こっちもお世話になってるんだし」
「また飯作って一緒に食おうぜ、・・・千夜も、一緒に」
「! おぅ、また一緒に風呂で遊ぼうぜ圭!!」
家に帰ってきてからも、千夜はニコニコと笑いっぽなしだ。
ずき、ん
「?」
「ちなみ?」
「ぁ、ううん。何でもない!!」
痛んだ胸を押さえて、玄関で立ち止まっているあたしを不思議に思ったのか、千夜が声を掛けてくる。
その声に我に返ったあたしは、両手を左右に振り、靴を脱いで上がった。
「あたし、お風呂入ってくるね!!」
「? お、おぅ・・・」
なるべく平然を装いながら自分の部屋へ続く階段を上がった。
「・・・何だったんだろ」
部屋に入って、ドアに凭れながら再度痛んだ胸を押さえる。
何で痛んだの?
圭の笑顔に?
千夜の笑顔に?
二人の仲の良さに?
誰に痛んだの?
圭に?
千夜に?
二人に?
今までこんな痛みの走らなかったあたしは、
胸を押さえながら自問自答した。