神様に見捨てられた世界で生きる僕ら

「ちょっと待ってよ」

「な、何ですかっ」

「俺のこと飼ってよ」

「か、う?」

「そ。ペットにしてよ。俺行くところないんだよね」

「それは、あたしじゃなくても・・・良いんじゃ・・・」


手首を掴まれ、驚いて振り返れば悪戯っぽそうに弧を描いた空色の猫目とかち合う。


「毎日つまらなさそうに過ごしてる、アンタじゃなきゃ駄目だよ。
俺が面白くしてやるから!」

「ちょ、ちょっと!?」

「俺、千夜っつのな!!」

「え、ちょっと!待ちなさいよ!!」


手首を掴んでいた手がいつの間にか、手を繋ぐようになっていた。

その状態でズルズル、ズルズル青年はあたしを引きずっていく。


「も、待ちなさいってば!!」

「あ、お前の名前は?」

「・・・・・・ちなみ。八重、ちなみ・・・」

「ちなみな!此からよろしくな!!」


半分強制的に、一方的で事の成り行きで。

あたしはこの、青年と住むことになった。ようだ。

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