神様に見捨てられた世界で生きる僕ら
千夜の向かいに座り、電話の横の写真立てに入った家族写真を手に取った。
出された炒飯に手をつけることなく、千夜はあたしの行動を見つめ、返事を待っていた。
「寂しくないって言ったら、嘘になるのかな・・・。
でも、あたしが悲しんで悔やんだって父さんと母さんは戻ってこないもの」
「だけど、」
「それに、隣には幼馴染みの一家も住んでるし。
今日からは、千夜も一緒でしょ?
寂しくないよ」
「・・・・・・そっか・・・」
「ほら、それよりも早く食べないと冷めちゃうよ?」
トントン、と皿を突けば千夜は急いで食べ始めた。
久しぶりだ。
圭達以外で、あたしの手料理を食べた人は
そして、両親の話をしたのも
「ねぇ、千夜」
「んぁ?」
「やっぱり、一緒に寝よっか」
自分でも驚くほど、初めて会った人間に心を許していた。
誘ったときの、千夜の顔は
今でも忘れない。