Distance of LOVE☆
…すごっ。

さすが、株式会社昇格記念パーティー。

どこもかしこも、有名な人だらけ。

しかも…それに混じって…

「母さんに、親父!?」


「ふふ。
せっかくのパーティーですもの。
盛大に祝ってあげなくちゃね?」


「わぁ~!
叔父さんっ!!」


「和之くんも…元気にしてたか?
またウィーンで、たくましくなった気がするな。」


「そんなことないですよ。」

立食パーティーも無事終わって、しばらくすると、会場の明かりが消えた。


「な…何っ!?
停電?」


オロオロしている悠月の肩を抱いていると、その手をボーイさんに掴まれ、どこかに連れて行かれた。


そして、何やら着替えさせられる。

タキシード?

この丈…


「そうでございますよ。
…とてもよくお似合いで。」


「ところで…何を…?
こんなドレス着て…」


カクテルドレスを着用した悠月が頬を赤くしながらそう問いかける。


「披露宴でも、ってことでしょう?
せっかくこんなに集まってるし、
僕自身も今日含めて3日しかいられないし。」


戸惑う悠月の手をとって、会場に向かう。


「行こ?」


「うんっ!!」


僕たちの曲とともに、入場する。


着席してから、一礼。

プロデューサーさんが、結婚までの馴れ初めとかいろいろ語るのを、2人で微笑み合いながら聞いてた。


ウェディングケーキ入刀とか、
キャンドルサービスとかもやった。
悠月のやつ、なかなか火が付かなくて半泣きになりながらやってた。

いちいち…可愛すぎなんだよね、悠月は。


余興の時間。


ボーイさんに、この会場のみ、明かりを消してもらう。

そして…

スポットライトに照らされる僕。
ちょっとだけ、片手で鍵盤を触る。

ピアノ弾くと暑くなるから、スーツのジャケットは脱いで、ベストを着て、めったにかけない黒ぶちメガネでスタンバイ。
ウィーンで、悠月を想って作詞した曲を贈る。
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