Distance of LOVE☆
じゃあ…まずは…お手並み拝見。


「演奏してみて?
コンクールの課題曲。」


その声と共に、指揮者が立って、演奏が始まる。


演奏を終えて、一言。


「あのさ…ちゃんと聞いてる?
他の楽器の音。
全然、ハーモニーが感じられない。」


僕がそう言ってすぐ、しゅんとなる生徒たち。


「他の楽器も…全体的に…主張しすぎ。
他の楽器がソロのときは…ボリューム下げるとか…しないとダメだよ?」


ますますしゅんとなっている。


「全国大会で満足なの?
違うでしょ?…もっと上…目指すんでしょ?
これくらいで凹んでてどうするの?」


悠月がまさかの一言。


「はいっ!!」


途端に元気になる生徒たち。


単純だな…

相変わらず。


しかも…気になるんですよ。

僕のときとの態度の差が。

そんなに悠月が好きか?


なんかムカつくな…


「それから、ちゃんと和の言うことを受け止めること。
和のアドバイス、的確だから。何せ、ウィーンでオーケストラの指揮振ってたしね?」


悠月、ナイスなフォローをありがとう。

さすが…僕の奥さん。


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