Distance of LOVE☆
いてあげて…いいのかなぁ…

僕が。


まあ…可愛いゆづと子供のためですからね。

いてあげましょう。
僕も…もう父親ですからね。

責任持って見守りますよ。

「あ…和。
ん?
どうする?
この子の名前。
手帳に子供の名前の候補書いておいたんだけど…
何か…なくなっちゃって…まあ、1つしか書いてないけどね。」


ゆづ…なくなってること…気付いてたんだ?
さすがに気付くか。


「もしかして…さ。
それって…コレ…のこと?」


そう言って、僕は彼女に1枚の紙を差し出した。


僕自身が考えた…もう1つの名前の候補が書かれたもの。


「これっ…!
何で…和が?」


「あのコンサート終わり、つい起きちゃって…さ。
ふとゆづの鞄に視線をやったら、これが目についた、ってワケ。
このおかげで、ちゃんと鞄のファスナー閉まってなかったよ?
良かったよね。見つけたのが僕で。」


「和っ…コレ…
"悠香"って…
和なりの名前の候補…?」

「さすが、僕が選んだ人ですね。
…お見事…です。」


「三ノ宮 悠香(サンノミヤ ユカ)。 響きも字面もいいんじゃない?
さっすが和!」


「だって…1人目で僕と悠月の字からとったら、2人目のとき…どうするんですか?
って思っただけですよ。」

気付けばゆづより僕に興味を示しているらしい悠香。

「よっぽど気に入ったんじゃない?
和命名の名前が。」


「そうかもしれない…ですね。」


とか言った矢先に、また急にぐずりだした悠香。


「ちょっと待ってて。
眠いみたい。
寝かせてくるっ!」


しばらくして、僕のもとに帰ってきたゆづ。


「ありがとね。
あの手紙…
嬉しかった。
和らしい…真っ直ぐな手紙だったよ。」


ああ…あの悠香の名前候補の紙のウラに書いたやつか。

僕は、返事の代わりに、彼女にそっとキスをした。
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