Distance of LOVE☆
僕が忘れるワケがない。

今の会社で、悠月を襲おうとした張本人。

ゆづは、この人にいい思い出がない。


でも…何でこの人の名前が今更?

偶然なんかじゃぁ…きっと、ない。


「和…
お願い。
気が向いたときでいい。
その…谷村さん…家に呼んで?」


「うん…別にいいけど…
何するの?」


「教えてあげるの。
東條 祐希がどんなにヒドいヤツか。」


いいのかな…

自分で自分の古傷をえぐることになるけど…


そのとき、2階から悠香の大きな泣き声が。


「あれ…
和が帰ってくる前におっぱいあげたのに…
オムツかな?
…ちょっと待っててね、和。」


それだけ言うと、ゆづは2階へと上がっていった。


「はあ、もう…大変だったわ…」


ゆづは念入りに手を洗いながらそう言っていた。


「お疲れ様、ゆづ。
あの…なんだったら僕もそういうことやるよ?」


「ありがと…
今はまだ大丈夫。
それより、今は和とこうしていたいな。」


僕の肩に顔を持たせかけてくるゆづが可愛い。
そんなことされちゃ…さ?

僕も…容赦しないからね?


「悠香は?
もう寝たの?」


ぐっすりだっていう彼女の返事を聞いてから…
ゆづを抱っこして寝室へ。

「久しぶり…でしょ?ゆづ…」


「うん…」


「ホント…はね?
不安だったの。
谷村さん…私なんかより可愛いから…って…か…ずっ…」

クスッ…


わがままな口を僕の唇で強く深く塞いでやる。

可愛い…

妊娠中のときと何ら変わらない、甘ったるい、可愛い声が久しぶりに聞けた。


「相変わらず、だね?
超、そそられるんだけど?その声。」







< 124 / 167 >

この作品をシェア

pagetop