Distance of LOVE☆
まあ…和は浮気なんてしないけど。


「ホント……すみません…
だって……子供産んだ後って何かと精神的に不安になること多いって………」


すみません、を連呼しながらゆづに何度も頭を下げる谷村さん。


「いいんですってば………」


ぐずり出した悠香をなだめながら、悠月もとまどいがちに答える。


ねぇ……悠月?

子供って………カンがいいのかな………

この案件にあまり深く首突っ込むなって………態度で注意を促していてくれたのかもね……悠香。


「ハミュセコーポレーションに柳下 祐希が勤めてるって………知ってた?」


「もちろん。
私の再従兄弟も悠月さんたちと同じように………ゲーム会社で働いてるんです。
私もそこで声優業の依頼を受けるんですけど………
そこでたまたま………」


「前の悠月と同じパターンか………
営業担当………のついでか?」

「そうね。
確か………学習ソフト作るとか言ってなかった?
英語の発音を理解させることを目的とした教材らしいけど………」


待って………?

英語が高校の頃から割と得意なのって………


春香………だよね………?


「私………何なら春香に聞こうか?
柳下 祐希に何聞かれたのか………」


「私、春香さんと仕事上よく会うんですが、聞いても教えてくれないんです………」

「大丈夫!!
私、春香と小学校の頃からの友達だから。」


「じゃあ、僕は………柳下ってやつが立ち上げている裏サイトを探ってみるよ。
何か手がかりがないか………ね?」


僕がそう言うと、谷村さんの表情が露骨に歪んだのが分かった。


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