Distance of LOVE☆
…ピンポーン。


『あと、30分ほどで、当ヘリはオーストリアへと到着致します。

時計を現地時間に合わせる等の準備をするとともに、席にお戻り頂き、シートベルトをご着用なさいますよう、お願い申し上げます。』


「あ…ようやく起きた。
かーず。
早く起きて服着てよ。
席、戻れないよ?」


「分かったよ…もう…」


微かに、耳の奥でアナウンスを捉える。


元通りに服を着て席に着く。


「ゆづは?
いつから起きてたの?」


「私もね?
放送に起こされたの。」


「あの放送の声…多分麗眞くんだよ。」


「聞きました?
今のアナウンス。
あれ、放送したのオレですからねっ!!
お2人さんのイチャイチャ、邪魔しないようにしたんですから。
感謝してくださいよ?」


今…もう日付が変わってる。

僕たち、6時間も寝てたの?


「ねー和。
日本とオーストリアの時差何時間?」


「ゆづ、一回、僕の誕生日にオーストリア来たよね?
そのとき教えたじゃん。
8時間だって。」


「もう…だって、和に会えたから嬉しすぎてどうやって来たのか記憶飛んじゃったんだもん。」


あーもう…

ゆづったら、なんでこんな、毎度毎度可愛いこと言ってくれるのかな…


「8時間ね?
分かった。」


「ゆづ、不器用だから出来ないでしょ?
時計合わせるのは僕の仕事だからいいの。」


「和之さん、悠月さん、イチャイチャはもういいですか?早く、夜食、食べちゃってください。」


ミニサラダにパンにミルクティーがあった。


「あまり食べ過ぎましても余計時差ボケがひどくなりますゆえ、これくらいで良いでございますよ。」


相沢さん、詳しいな…


「姉さん…大丈夫かな…」


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