Distance of LOVE☆
「なぜ知ってる?」



「貴様のことは宝月財閥の力を使って全部調べたからな。
そこの御曹司、別に好きなワケじゃないんだろ?姉さんのこと。
………悪いね。
オレのほうが、好きなんだわ。姉さんのこと。
姉として尊敬してるし。」


「たまたま、オレの泊まっているホテルに偵察に来たとき、見ちゃったんだろ?
和之さんと悠月さんのイチャつきぶり。
それを見て、アンタんとこの御曹司が妬んだ。
自分がなかなかそんな関係になれないから。だからだろ?彼らの愛の結晶である悠香ちゃんを拉致ったの。」



「な……何を証拠にっ………」



「ホテルの監視カメラ。
泣いてる悠香ちゃんの声と、止めなさいよっ!
っていう、橋本の声がちゃーんと、記録されてたの。」



宝月家が開発した、声も拾える監視カメラだからね?


「何やってる!」



声のした方を見ると、左手に銃を持った御曹司が。



「危ないよ?銃とか慣れてないんだろ?
怪我するから止めろ?」



「うるさいっ…!」




銃弾は、オレでも、相沢でもなく、咄嗟に飛び出して来た影に当たった。



「………っ……痛っ…痛いじゃないのっ…!ごめんなさいね?今は、城竜二じゃない、宝月の人間だから。私。
彩を無理矢理に政略結婚だなんて……ね?納得いかないわ。」


「城竜二 美崎?」


姉さんの親友だ。

その彼女が、何でここに?



「脚撃たれてんじゃねーか。
銃弾は貫通してるから大丈夫だな。
……相沢。とりあえず止血してやれ。」
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