Distance of LOVE☆
美崎を誤って撃ってしまった後、御曹司は逃げようとした。


オレが咄嗟に脇腹に蹴りを入れて、御曹司を足止めした。


「………おっと。
………逃がすワケ、ないだろ?ちゃんと裁判を受けてもらわないとな。」


「そうよ。彩の母親に………依頼するわ。検事だからね?」

「ってか、城竜二 美崎。撃たれてるんだから、しゃべるなって。余計に広がるぞ?傷口。」



「…………これだけは言わせて?
私は、今は、宝月の人間よ?私を撃ったこと……オーストリア全土に広めてやるわ。国民全員、失望ね。そうされたくないなら……誓約書、書きなさい!彩との婚約を破談にするって。」


「それだけはやめろっ!ちゃんと……ちゃんと書くからっ!」


「言ったわね?ちゃんと書きなさいよ?」


「それ以上、喋らないほうがいい。
相沢、手当てしてやれ。」


オレが、城竜二 美崎にそう言ったとき、和之さんが現れた。


「和之さん……」


「多少、心が荒んでたから。音楽セラピーやってあげたの。良かったよ、効いているみたいで。」


「なんかすみません……」


「どう?大事なお姉さんの婚約は、破談に出来そう?」


「はい。おかげさまで。」

その後、悠月ちゃんが悠香ちゃんと橋本と一緒に歩いてきた。どうやら、和之さんが助け出したみたいだ。


その日の夜、姉さんにテレビ電話で報告した。


「破談にしたよ?あの婚約。」


『良かった……ありがとっ。』


「姉さん、矢吹さん、ニブイから、ちゃんとしなきゃダメだよ?
何かあったら聞くから。」


『何が?ねえ………なんなのよっ!』


その姉さんの言葉には答えず、通話を切った。





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