Distance of LOVE☆
気付くと、もう昼で。

いつの間にか寝てしまっていたみたい。


「悠月?
ホントに大丈夫?
お昼食べたらチェックアウトなんだけど…
よく寝てたね?」


「うん…なんか…ごめんね。」


「じゃあ、いい子にしてるんだよ?
僕はちょっと、電話するところがあるから。」


和之はそれだけ言ってから、部屋を出ていった。


言えないよ…


言いたいのに…

妊娠しているかも、しれない事実。

でも…確証もないのに…そんなこと言っても…
和に迷惑だし…


何より、今妊娠だなんてー
和の留学に、支障が出ちゃう。

私、知ってるんだから。


大好きなピアノでさえ、私に何かあったときには、後回しにする。

いつでも、私優先だって。


私、和の夢、ちゃんと応援したいのに。


私が結局、ダメにしちゃうのかなー。


ごめんね?


和之。


私なんて、いないほうがいいのかな?

そのほうが、きっと楽だよね。


このまま、何も食べないでいれば、死ねるかな?


そんなことを考えていると、ドアがノックされた。


「誰…?」


「やほっ!!」


「…春香っ!」


「悠月のピアノ、聞きたくなっちゃって。」


春香のリクエストで、ピアノを弾く。
こうしていると、さっきまで考えていたことも、下腹部の痛みも、全て忘れられた。

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