Distance of LOVE☆
和が来たおかげかな。


ブドウ糖やら制吐剤やらを点滴されて、
5日で退院した。


1週間って言われたのに。

和のパワー、すごいな…


和の車で、私たちの家に帰る。


「三ノ宮」と表札のある家。

「あの、まだ慣れないんだけど。
"三ノ宮"っていう苗字。」

「ふふ。
"三ノ宮 悠月さん"って言われたときの慌てぶり、可愛かったですよ?」


まぁ…そのうち慣れるよね。


その日の夜。


一回は布団に入るけど、なかなか眠れなかった。


すると、どこからか聞き覚えのあるメロディーと歌声が。


披露宴のとき、弾き語りしてた曲だ…


和の歌声って…なんか落ち着くんだよね…


それはまるで、子守唄のようで。


目を閉じて聞き入っていると、自然に夢の世界へ入っていた。



「ゆーづ。
…起きて下さい?」


耳にハッキリと届く、和の声で目が覚めた。


「か…ず…?
おはよ…」


ぼんやりとした視界に、スーツ姿の和が映る。
あれ…?
起きたはいいけど、首に違和感が…

と思ったら、和の指の感触が、そっと首筋を伝って、なんかくすぐったかった。

「もう…可愛いですね、悠月は。
ネックレスしたまま寝ちゃったりするところが。
しかも…後ろにいっちゃってましたよ?」


え!?


あれ!?

でも今は…ちゃんと前に来てる…

そっとなぞるように触れると、ハートの形が確認できた。

和、直してくれてたの?


「ふふ。
そういう、ちょっと抜けてるところも、好きですからね?
じゃ、僕は仕事に行って来ます。
無理はしないで、食べられるときに、軽いものを食べておくんですよ?」


それだけ言って、和は仕事に行った。
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