Distance of LOVE☆

はあ…はあ…っ…

何でだろ…

少し走っただけのように思える。
だけど、すごく目眩がした。
だけど、周りは何か、見覚えのある建物だ。

微かに視界の端に、｢三咲｣という文字が映った。


｢ん…｣


うっすら目を開けると、真っ白い天井が見えた。


ここ…どこ!?


｢あ、気付いたかしら。
ダメよ？
何があったか知らないけど…
いくら安定期に入ったからって、いきなり走ったりしちゃ。
そりゃ、目眩起こすわよ。｣


｢朱音…さん…？｣


そこにいたのは私の主治医、三咲 朱音さんだった。

｢私が休憩中で良かったわね。
妊娠中って精神的に不安になるから、余計にネガティブ思考になるのよ。
大事なのは、ポジティブに考えることよ。｣


｢ありがとうございます。 ついでに検診までしてくれたみたいで…ありがとうございます。｣


病院を出ると、車と自販機の間を右往左往している和を見つけた。


｢悠月…!｣


私を見つけると、和は思いきり私に抱きついてきた。