Distance of LOVE☆

｢……どうだ？
ツラいだろ。｣


｢何が…ですか？｣


｢彼女さんに会えないの。 日本だろ？｣


たしかに…

会えないのはツラい。


だけど…

テレビ電話だってしてるし…

寂しいとは思わない。

そう言って僕は…おもむろにピアノの前に座る。

ピアノの前にいると…ものすごく落ち着く自分がいる。

無意識のうちに自分の指が、カフェでBGMとして流れていた曲を奏でていた。

最初は…しっとりとしたメロディーだが、途中は、未来や夢といったものを強く信じさせるような明るいものになっている。

また、しっとりとしたメロディーに戻って､フィニッシュだ。
弾き終わると、一息ついて、ビールの缶を手にとる。

｢すごいな…
パピー、絶対音感あるだろ？｣


｢…ｸｽｯ｡気付いてなかったの？
2ヶ月も一緒にいて？｣


｢パピー、たまにドＳだよな…｣


｢気付いていないの、アルプスさんくらいだよ。
…悠月もかな｡
自分が絶対音感もってることに気付いていないの｡｣


｢そうなのか？｣


｢うん｡｣


そう言って椅子から立ち上がり､ベッドの橋に腰掛けた刹那、急な睡魔に襲われてそのまま眠りについた。