Distance of LOVE☆
「ハアッ…先生っ…
朱音はっ!?」


息を切らして、先生の元へ。


「そんなに急いで来なくても良かったのでは?」


先生がそう言うのも、無理はない。


早く朱音のもとに行きたくて、
2段ベッドから降りようとしたらベッドから滑り落ち、
階段を駆け下りていたら足を踏み外して頭から転んだのだ。

髪はボサボサで、ジーンズは破け、膝からは血が出ていた。


「と…とにかく、入りなさい。
朱音ちゃんが待ってる。」

「朱音っ!!」


ベッドを仕切るカーテンを、ピシャッという音を響かせながら開けた。


「何よ、そんなに血相変えて…
って…その格好どうしたのよ?」


「俺より朱音だよ。
…朱音、心配したんだぞ?」


「…いいわよ。
私の機嫌をとるためにそんなこと言わなくても。」


「ホントだよ。
……無事だって。
母胎も、俺と朱音の子供も。」


「…え……!?」


「……産もうよ。
俺たちの子。」


一呼吸おいて、また言葉を紡ぐ。


「今更って…思うかもしれないけど。
やっぱり…俺の都合だけで中絶しろなんて…ダメだよな。
それで朱音を…自殺を図るまでに追いつめたんだし。今度こそ…元気に産んでやりたいじゃん?」


「星哉…
ありがとっ…」


朱音は、泣きながら俺に抱きついてきた。


「ごめんね?
子供…楽しみにしてたのに…」


「大丈夫。
ところで星哉…星哉こそ大丈夫なの?
今、無職のくせに。」


「ふふ。
無事、朱音が子供産むときまでには、
ちゃんと見つけるよ。」



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