Distance of LOVE☆
俺って…そんなに頼りないかなぁ…

妊娠って…


俺の子でも…あるんだよね?

だって…あんなに激しくしたの…

夏の休暇で3日間だけパリにいた…

あの日だけだもん。


「奈留…
俺、すげー会いたかったよ?
奈留に。」


「…私も。
会いたかったし…愛して…ほしかったよ…」


「それなら…いいよね?
……ちゃんとやることはやるし。
優しく…するから。」


「優しくなんかじゃ…
嫌って言ったら?」


「分かってる?
俺も一応…男だけど。」


「分かってる。」


結局…

そのまま…

一晩中愛し合った。


だって…仕方ないじゃん?

奈留が可愛いコト言って誘惑してくるのが悪い。


あのときの行為のときだ…

今妊娠してるのなら…

絶対にそう。



「頬が緩んでいるわよ?
これを見ても…ニヤけていられるのかしら?」


そう言って…手渡されたのは手のひらサイズのノート。


開いてみると、奈留の丸く可愛い字が並んでいた。


11月26日から…この日記が書かれている。


11月26日。


おかしい。


普段なら…生理がくるはずなのに…かなり遅れている。

何でだろ…

朝起きたときに目眩や立ち眩みもある。


今日辺り…職場の同僚に聞いてみよう。


もし…妊娠だったら…


どうしよう。


大丈夫かな?

雅志、絶対心配するし…

ちゃんと元気でやっててほしいから…

迷惑だけは…掛けたくないな。


ここで…初日の日記は終わっている。


なんだよ…

相変わらずだな。

すぐに自分を犠牲にするの。
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