Distance of LOVE☆
11月27日。

職場の同僚に聞いたら…

「それ…妊娠してるかも」って…

日本人のフランス国籍の人なんだけど…

その人は…

「大丈夫!!
私なんて…子育てしながらこの仕事やりきったし!!」

なんて励ましてくれたけど…


私なんかが…

母親になれるのかな…

大体、この職業だけで食べていくなんて…


絶対、出来ない…


それに…

雅志は…今、難しい時期にある。


親が医者だから…もし何かあったら…親の病院を継がなきゃいけない。

それに…

動物病院の院長も…

もう50半ばだし…

本当に何かあったときには…

もしかしたら雅志がその後を継ぐのかな…

雅志、院長の次にしっかりしてるし…

"両方"なんて無理だから…

どちらかなのかな…


「出来ればどちらかにしてほしいのよね…」


なんて…

雅志のお父さんが船上披露宴の後のパーティーで言ってた。


雅志も…迷ってるんだろう。

最近、元気ないもん。


そんな中でこんな話をしても…


祝福ムードにはならなそうだし。


やっぱり…お腹の子も…望まれて生まれてきたいだろうし…ね?


そこで…空白があった。


しばらくして…


「やっぱり…

妊娠してた。

かなり反応が出るのが遅かったけど…

少しの間だけど…

ママでいさせてね?


…………。

何だよ、コレ…


俺のコトを考えてくれるのは嬉しいけど…

自分の本当の気持ち…優先させていいんだよ?

書いてあるんだもん。

この日記の…最後のページに…

奈留が必死に考えたであろう…

俺たちの子供の…

名前の候補。

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