Distance of LOVE☆
それがさ…

産みたいって…証拠なんじゃない?

親が経営してる病院なんて…どうにでもなる。


だって…

潰すのも俺の自由だし?

まあ…潰しはしないけど。

俺…動物に関する知識はあるけど…

人間のほう…さっぱりだし。

俺はね、嫌いなの。


顔や身体にヒドイ火傷を負った人とか…

植物人間になってしまった人とか…

結構見てきた。


見る度に…気持ち悪さに襲われた。


そんな中…

俺は…病院にたまたまやってきたセラピードッグに惹かれた。


でも…その犬は…足を怪我していた。


「おじちゃん。
この犬って…すごいんだね。
足を怪我してても…人間のために…
頑張ってるんだね。」


こんな…人間のために頑張っている犬を見ていたら…
ほっとけなくて…


「おじちゃん。
どうしたら治るの…?この怪我…」


「難しいな…
獣医さんにならないと。」

「じゃあ…獣医さんになるっ!!
この犬の怪我も…治してあげるんだ!!」


その夢を…両親に話した。

「ほぉ。
いいじゃないか。
雅志も医療系か。
…同じだな。」


「根本的なところは…同じだからね?
命を救いたい、っていう、強い気持ちは。」


「ママもパパも、すごいね!!
僕なんて…お医者さんの仕事…出来ないよ。
だって…何かあったときに怖いじゃん?
患者さんに何かあったら…絶対パニックになっちゃうよ。
いつでも冷静で…すごいな!!」


そんな会話したっけな。


「俺…どうしたらいいんだよ…」

だって…約束したんだぜ?

「結婚…したらさ、2人で動物病院経営しよ?
"葦田動物病院"。」


「絶対だよ?
…約束!」


「うん。」


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