Distance of LOVE☆
それから…何時間経ったんだろうか。
奈留が落ち着いたのを見計らって、
コートのポケットから
「中絶同意書」を取り出す。
「オーナーから預かったんだけど…
どういうこと?コレ…
こうすることで、俺に黙っておこうとしたの?」
「でも…良かったね。
サインしなくて…良くなったよ?」
「奈留っ…!」
俺もさ…
そのお腹の子の…父親なんだよ?
なのに…何にも相談してくれなかったのが、ショックだった。
「私も…産みたいとは思ってたっ…
だけど…怖かったのっ…
獣医師の仕事と子育ての両立…厳しいって聞いて…
この仕事だけで食べていける保証、ないしっ…
それに…今妊娠なんてっ…雅志の後継者のこともあるしっ…
迷惑かけられないよっ…」
奈留、やっと言ってくれたね?
流産…しちゃったのは…今回は仕方ない。
まだ妊娠が確定していなかったからこそ…
今回の事件は防ぎようがなかった。
だから…
次は…産もうな。
俺たちの子。
奈留…お疲れ様。
ぎゅって…彼女を抱きしめてあげようとした、
そのとき。
ふいに、ハイヒールの音が響いた。
奈留が落ち着いたのを見計らって、
コートのポケットから
「中絶同意書」を取り出す。
「オーナーから預かったんだけど…
どういうこと?コレ…
こうすることで、俺に黙っておこうとしたの?」
「でも…良かったね。
サインしなくて…良くなったよ?」
「奈留っ…!」
俺もさ…
そのお腹の子の…父親なんだよ?
なのに…何にも相談してくれなかったのが、ショックだった。
「私も…産みたいとは思ってたっ…
だけど…怖かったのっ…
獣医師の仕事と子育ての両立…厳しいって聞いて…
この仕事だけで食べていける保証、ないしっ…
それに…今妊娠なんてっ…雅志の後継者のこともあるしっ…
迷惑かけられないよっ…」
奈留、やっと言ってくれたね?
流産…しちゃったのは…今回は仕方ない。
まだ妊娠が確定していなかったからこそ…
今回の事件は防ぎようがなかった。
だから…
次は…産もうな。
俺たちの子。
奈留…お疲れ様。
ぎゅって…彼女を抱きしめてあげようとした、
そのとき。
ふいに、ハイヒールの音が響いた。