Distance of LOVE☆
「……うまっ!!
レストランのハンバーグより美味しいって。」


「一応、祖父母がレストラン経営してるからな~。」


アルプスさん、そうなんだ…


「ところで、パピー宛の手紙は読んだのか?」


まだ…読んでないや…

ハンバーグに夢中で頭から手紙のことが抜けてた…


丁寧に、封を破る。


差出人は、プロデューサーさん。


えっ!?

僕たちの会社…株式会社になったの?

それを記念するパーティーが5日後、って…


このパーティーに出席すれば…
悠月に会えるのか…

会いたい。

だけど…


ウィーンに来てから、演奏会とかの仕事も来るけど…悠月に会えない寂しさからなのか、音色に愁いが加わって、なかなか普段通りに弾けない。
だから…悠月に顔、合わせ辛いんだよね。

依頼なんて、1ヶ月に2、3回くらいしか来ない。

こんな気持ちのままで、悠月に会えるハズがない。

彼女に冷たい態度を取ってしまう可能性も…
否定できない。


「パピー?
どうした?
もう、時間だぞ?」


「今行く。」


手紙の鞄の奥底に押し込んで、足早に家を出た。


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