Distance of LOVE☆
CAさんに見送られながら…
飛行機を降りる。

入国審査の列に並ぶ間…

僕が2人分のスーツケースを持つ担当。


「平気?
和の…私持つよ?
私の…かなり重いから…」

「平気だよ。」


とか言ってると…


いきなり、片方の手が軽くなる。


「全く…どうせ、2人の世界に入ってたんだろ?
パピーのやつ、携帯に連絡入れても全然気付かないし。」


スーツケースを持ってくれてたのは…

アルプスさんだった。


本名は山中 岳さんなんだけど…
なぜか"アルプスさん"で通っちゃってる。

まあ…音楽会仲間の間だけの呼び名なんだけど。


「アルプスさん!!
お久し振りです!」


「お。
悠月ちゃんじゃない。
何?大分遠目から見ても妊婦さんだって分かるようになってきたよね。
飛行機での長旅、大変だったでしょ?」


そんなことを話していると、もう自分たちのチェックインの番。


無事に終えて、ふと周りを見渡す。


「ねぇ…和…
私たち…現地の人にすごい見られている気がするんだけど…」


「まあ…な。
パピーはここじゃ、かなりの有名人だから。
ここだけじゃない、チェコやらハンガリーやら…近隣の国でも超人気者だよ。」

「違うって。
それも…少しはあるかもだけど…
だけど一番は、悠月が可愛いからだと思うな。」


そう言いながら、悠月の肩を抱き寄せる。


「ちょっ…///
和っ…
ここ、空港なんだけど…」

いいじゃん?


「あーもう。
また始まったよ。
イチャついてないで、早く車乗れ?
現地の報道陣に見つかったら厄介だぞ?
計画が水の泡だからな。」

アルプスさんの言葉に、肩をビクつかせる。


「だね?
よろしく頼むな?」


「任せろ!!」


アルプスさんは僕と悠月を車の後部座席に乗せて、車を走らせた。
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