Distance of LOVE☆
「ハイ、到着!」


「うわぁ…!」


案内されたのは、宮殿の中みたいな、だだっ広い空間。


悠月なんて、すっかりはしゃいじゃって、所々にあるシャンデリアを羨望の眼差しで見つめてる。


「まずは…予行練習しないとだからな!」


「アルプスさん…まさか、ここって…」


「そう。音楽会の会場。
今のところは…悠月ちゃんはお客さん役だからな。」

「あっ!!
いや、悠月ちゃん、今のは、気にしないでいいからね?」


「そうだよ。
体調も安定させておかなきゃなんだし、
しばらく上で休んでたら?……僕はしばらく、オーケストラ楽団の調整してるから。」


「えっ……!?」


ふふ。

悠月、いい感じに驚いてるな。


「あれ?
言ってなかったっけ?
僕が、オーケストラ楽団の指揮振る、って。」


「聞いてないって!!」


「ふふ。
終わったら部屋行くからさ、
それまで、いい子にしてろよ?」


言いながら頭を撫でてやる。


「和っ!!

私…もう子供じゃないのにっ!!」


「ごめんって。」


軽く彼女に口づけて、彼女を部屋に誘導してもらう。

その係は、ウィルソンさん。

1年くらいで、かなり日本語がかなり上手くなった。

だけど…僕は一応、


「あのさ、手出したら半殺しだからね?」


「分かってる。
人妻には手、出さないよ。」


それだけを耳元で言う。


「もう…
すみません、過保護で…」

「大丈夫だよ。
ボクたちが経営しているカフェでバイトしてるんだけどね、和。

いつも君の話ばっかりしてたよ。」


「ウィルソンさんっ…///」

「くれぐれも、悠月にヘンなこと言わないでくださいよ?」


安心しろ、と言うようにウィルソンさんは僕の肩を叩くと、悠月を部屋へと連れていった。
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