Distance of LOVE☆
弾き語りを終えると、悠月は案の定、号泣。


皆から拍手喝采を受けたけど…

全く聞こえていない様子。

あぁもう…

こうなることは予想が付いていたはず…

泣き虫だからな、ゆづは。

「はいはいはい。
素敵なサプライズありがとうございます。
では…ここで準主役のお二人に花束の贈呈を…」


とか、アルプスさんがマイクを奪って言っている。


花束の量が、尋常じゃない。

台車3台分って…


「花束…すごい量ですね~おそらく、これ全部、主役の2人へのものかと…」


確かにすごい量だ。


ゆづなんて、まだ泣いてるし。


「あの…いい加減泣き止んでほしいんだけど…」


「無理っ…」


ま、いいけど。


ずっと泣き止まなかったら…最終手段でもう一度、舞台上でキスしてやるだけだしね?


「忘れてた。
花束のついでに。
僕も一曲…大したものじゃないけど、2人に贈ろうかな、って。
だからさ、ステージに一番近い客席で見ててよ。」


そうアルプスさんに言われる。

仕方がないから、2人でゆっくりステージから降りる。


「クスッ。
いつまで泣いてんの?
泣き止まないならキスするよ?」


とか耳元で言ってやると、ピタッと泣き止んだ。


「さすが悠月。
偉い、偉い。」


頭を撫でてやったけど、子供扱いしないでよ!!とか言われて、頭を軽く叩かれた。

「後で…たっぷりお仕置きだからね?」


そう言ったあと、ステージの準備が完了したらしい。
僕のバイト先のカフェに勤めるメンバー全員が、某気象系グループの曲を歌ってくれた。


そのサプライズの後、3時間半に及ぶコンサートは終わった。


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