Distance of LOVE☆
「普通に呼ぶのも…いいけどさ?
こっちのが…いいんじゃない?」


そう言って…


「ゆーづ。」


耳元で彼女の名前を呼んでやる。
耳が弱いゆづは、案の定、感じるみたいで声がかなりエロい。

聞くだけで、僕の中の男が目覚めてくる。


「んな、エロい声出すな?」

「だってぇっ…アッ…」


「ほら、またその声。
出すなって言ったでしょ?聞けないの?僕の言うこと。」


「だってっ…
してくれないじゃん…
名前呼ぶしか…」


そういうこと。

だけど…ゆづ。
僕の性格…分かってるよね?
欲しいなら…自分から言いな?


「してよっ…」


「何を?」


意地悪く、耳元で言ってみる。


「キス…」


見ていられないくらい顔を真っ赤にしながら、僕の耳元で言ってくるんだもん。
…僕の負け。




なんて…言うと思う?


「欲しいの?
しょうがないな。
じゃあ…


ゆづからしてよ。

…キス。…出来ない?」


しばらく呆然として瞬きしてたゆづだけど、覚悟を決めたみたいで…

僕を軽く抱き寄せながら、キスしてくれた。

…これ、誘惑してるつもり?
胸は当たってるけど。


「もっとキていいよ?
してよ。深いの。」


とか言うと、ためらう彼女。
可愛いな。
不慣れなとこも。


まあ…仕方ないか。
今までのは…全部僕からしてたし。


手助けするように、少しだけ自分の舌で唇を開いてやる。


すると…彼女の舌の感触が。
ねっとりとした感触が、僕の口内を犯す。


「ゆづっ…上手いよ?
よく出来たご褒美。
今日だけ…僕が下になってあげる。(ニヤ」


いつもとは逆。


僕が下。

何も分からない可愛すぎる僕の奥さんが…上。


最後のウィーンの夜を…最高のものにしてあげる。
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