Distance of LOVE☆
「か…ずっ…///」


相当キツいのか、声にならない声で僕の名前を呼んでくる悠月。


「和っ…いい…よ…気持ちいっ…」


これでも…頭の先から足の先まで…優しく愛撫してあげてる。


「かずっ…そこっ…はっ…///」


ちょっと太もも触っただけだよ?

聞いているこっちがどうにかなりそうな、甘い声。

楽器を弾くような手付きで、さらに上の場所に優しく触れる。

その度に、いい音を響かせてくれるんだよね。


ピアノもギターも…

いいけど…さ。


一番触れていて楽しい楽器は…

ゆづだと思う。


ゆづのは、かなり潤いに満ちていて。


「クスッ…いい反応。」


指の腹で少しなぞっただけで、
身体を跳ねさせる。


「和っ…かずっ…!///」

彼女が僕の名前を呼ぶ度に、ベッドが不規則に音を立てる。


「ゆ…づっ…限界…ですか?」


部屋は、カーテンももちろん閉められているし、
電気も消えているから真っ暗だ。


ヨーロッパの冬は寒い。

外は肌を刺すような冷たい北風が吹いているだろう。

だけど…心は暖かい。

ゆづがいるから。
それは当たり前。

…だけど。


ゆづのお腹に、そっと手を添える。


きっと…この子がいるせいも…あるのだろう。

心が暖かくなるの。
いとおしそうにお腹を撫でているゆづを見る度に。


「あっ…!」


「どうしたの?
お腹…痛い?」


僕が刺激してしまったのだろうか。
ウィーンに来た日から何度も…僕の愛という名の刺激を何度も与えてしまっていたから、心配になった。


「大丈夫。
今ね、和が触れたあと、動いたの。
…この子。」


ほら、また。
ゆづを通じてこの子の話を聞く度に、幸せに包まれる。


幸せに包まれたところで…優しく…僕のとゆづのを繋げていく。

今は…3人で1つだね。


「和っ…かずっ…」


力を弱めて刺激したつもりだけど、僕の名前を呼ぶ甘い声を残して、悠月は意識を手放した。
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