Distance of LOVE☆
「すみません…わざわざ…」

「いいえ。
ついでだよ。
ちょっと…空港に用事があったからね。」


「……和之は、頑張れよ?お前が父親なんて…まだ俺も実感ないけどな。」


「分かってる。
明日のうちに…ちょっと一仕事片付けるわ。」


仕事って…何?

なんて…目で訴える悠月。
大丈夫だよ。

やましいことしないって。
僕がそんなことすると思う?


「詳しくは、後で家着いたらちゃんと話すから。
時差ボケもひどいんだし…ゆづは寝てな?」


僕はそれだけ言って、彼女を寝かせた。


「なんか…僕自身も…まだ実感ないんだ。
僕が父親なんて…」


「そんなもんさ。
俺だって、そうだ。
家内が腹痛めて産んだ子供をこの目で見て初めて、実感したからな。
自分が、この子と家内を守っていくんだ、って…」


父さんが…かなりイイ話をしている。


「まあ、俺としては、楽しみなんだがな。
どんな子供になるのか。」

「楽しみにしててよ。」


そこまで話して、あっ、と声を上げた父さん。


「お前と悠月ちゃんの家…で、いいんだよな?
…目的地。」


当たり前だよっ!!


もう…

普段は厳しいけど、茶目っ気たっぷりの父。

僕が結婚しても…そんなところは変わってなくて…嬉しかった。


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