碧眼の天姫―刀の後継者


「何だ…遊んでいるのか…?」


「っ…違っ……」


―キンッ


どうして…力が感じられない…



―パリンッ


「…えっ………?」



あたしの中で何かが弾け壊れた。


光があたしから飛び散り、いつもの服装へと変わる。


「な…んで………」

「天姫…覚悟……」


―グサッ


「…っう…あぁっ…ぁ…」


苦しい……
何でこんなに苦しくて痛いの…?


「美琴ちゃん…美琴!!!」


千年の悲鳴に近い叫びが聞こえる。


振り返ってみれば千年がこちらへと走ってくるのが見えた。


腹部に感じる違和感。
そっと自分の体を見ると…


刀……あぁそうか…
あたし…負けたのか……



「楽にしてやろう…姫」


鬼があたしから刀を引き抜き、振りかざす。


「ごめ…ね…ち…とせ…」


知らず知らずに涙が溢れる。


あたし…死ぬんだね……


「やめてよ…何で美琴ちゃんが殺されなきゃいけないんだよ……」


千年があたしの前に立ちはばかる。


「千年…やめ…逃げて…」


お願い…逃げて…千年…








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