碧眼の天姫―刀の後継者


「人間の分際で…消えろ」


鬼は刀を振り下ろした。
咄嗟に千年を庇うように抱きしめる。


―グサッ


「…っう……………」


今度は背中に鈍い痛みが走る。



「千年…平気………?」


腕の中にいる千年に声をかけると、千年が恐る恐る顔を上げる。


「美琴…ちゃん……
どう…して………」


顔を真っ青にした千年をあたしは抱きしめる。


「あたしは…ただ大切な人を守りたかっただけ…ただ…千年に生きて…いてほしかった…だ…け……」



抱きしめていた腕から力が抜けていく…


意識も遠くなる……


あたし…千年に伝えたい事があるのに…


声も出ないや………







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