碧眼の天姫―刀の後継者
第三章.生

砕けた記憶のカケラ



―――――――――――
―――――――――
―――――――


ボコボコ…ボコ……


ここは…どこなんだろう…水の中にいるみたい…
でも苦しくない…


『目を覚ませ…美琴…』


美琴……それはあたしの名前……?



『美琴…美琴…………』


お願い…その名前を何度も呼ばないで…


胸が痛い…
何故か苦しいの……



『逃げてはならぬ…
お前は受け入れなければならぬのだ…』



逃げるって何から?
受け入れるって何を…?


『…人間の業によりお前は生まれ変わった……』



人間の業………
生まれ変わる?


『血を交える事で我との繋がりが強くなったのだ…
より良くお前の声が聞こえる』



…あなたの言っている事が分からない…


あなたは誰……?



『我は天姫ノ刀に宿る魂、天鬼。お前の半身ともいえよう…』



私の…半身………
天姫ノ刀……


『我等は元々二人で一つだった。時が経ち、我等の血が力無き者達と合わさるにつれ薄まったせいで我等の繋がりに綻びが生じたのだ…』



あなたとあたしの…絆…?








< 106 / 330 >

この作品をシェア

pagetop