碧眼の天姫―刀の後継者


「な…に………これ…」


―ポタッ


涙が溢れた。
理由は分からない。先程まで恐くて堪らなかったその手が何故か愛しかった。


「う…ぁ…うああぁぁっ!!」


両手で顔を覆い激しく首を振る。



違うっ……違う違う違う!!
あたしは…殺して無い!!
違う…お願い…誰か……



否定して………



「何事だね!?」


―ガタンッ


部屋に何人もの人間が押し寄せる。


「何が…あった……?
これは…一体……………」


あたしへと視線が集まる。



見ないで……
あたしじゃない……
あたしじゃない……







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