碧眼の天姫―刀の後継者
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夏が終わり、秋が来る。
新学期が始まる今日、あたしは高校へと登校していた。
「寒くは無いですか?美琴」
「いえ…あの…大丈夫です、母様…」
母様と一緒に学生へと向かう。最近分かったのはあたしが記憶を無くしているという事と、この綺麗な女の人が自分の母親だという事。
あの時瓦礫の下敷きになった男の人が誰なのか、自分が何者なのかも分からない。
「美琴…手を繋ぎませんか?」
母様の突然の提案にあたしは目を見開く。
「何故…ですか?」
母様…何故そんな事を?
「あなたに触れていたいのです…。愛しいあなたに…。私があなたを嫌ってなどいない事を知ってほしいから……」
母様はあたしの手を握って悲しげに微笑んだ。
「…母様……………」
記憶を失う前、母様とあたしはどんな親子だったんだろう…
優しい母様にこんなに大事にされて幸せだったのかな?
『母様はあたしを憎んでる…心の底から…』
―ズキンッ
「…っ………!?」
頭痛がした。
慌てて頭を押さえる。
声が聞こえた気がした…
誰の声?
憎んでるって…誰が…?