碧眼の天姫―刀の後継者
「萩原 千年………」
いつからそこに?
先程の独り言を必死に思い返していると萩原 千年は苦笑いを浮かべる。
「何故にフルネーム??
千年でいいから」
そう言ってまた笑みを浮かべる。こいつのこの嘘臭い笑顔が嫌いだ。
思いっきり作り笑いだ。
こういう奴は裏がある。
だから関わらないが一番。
「…無理」
それだけ答えて萩原 千年の横を通り過ぎた。
「また明日ね、美琴ちゃん」
―美琴ちゃん
美琴ちゃん!?
あたしは慌てて萩原 千年を振り返る。
やっぱり笑みを浮かべて手を振っている。
爽やかすぎる…
やっぱりいけ好かない。
今度こそ無視してあたしはその場を去った。