碧眼の天姫―刀の後継者


「でも…あなたもあたしも…殺しすぎてしまった…」


互いの願いの為に刀を振るい、血を流しすぎた。


「くっ…くくっ……。もう…語り合う事すら…叶わないの…だ……」


氷鬼の言葉は悲しく残酷なモノだった。


それでもそれはあたしも気付いていた事。


もっと早く…言葉を交わせていたのなら…


共存の道もあったのかもしれないね…


「語り合う事は出来たのに…時は遅すぎた。だからあたしは……」


全てを断ち切る事で…
人を………守り抜く!!



「もう一度…問う。
お前は、全ての鬼を滅すると言った。ならば…鬼となったお前はどうする」


―キンッ


その言葉にあたしは…


「ふっ…」


死ぬ決意を込めた笑みを氷鬼に向けた。


「お前……まさか…」


氷鬼の青い瞳が見開かれた。攻撃の手が止まった瞬間にあたしは刀を突き刺す。







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