碧眼の天姫―刀の後継者


「………………鬼になれ…か……」



あたしはまた一つ…
罪を犯し命を背負った。


空を見上げる。


美しい夜空に星が散りばめられている。


素直に美しいと思った。


「美琴…」


―フワッ


後ろから誰かに抱きしめられる。


顔が見えなくたって分かる。


「千年……」


あたしの大切な人の温もりだもん…


この温もりを失いたくない。この人を守りたい。


―守り抜く。


「千年…あたしはまだ…戦えるよ…」


「っ…美琴!!!」


―ギュウッ


強く強く抱きしめられる。逃げ出してもいいんだと言ってくれてるようだった。


それでも千年はそれを口にしない。それが千年なりの優しさだった。


「ありがとう…千年…。
愛してる……」



そしてどちらともなく唇を重ねた。







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