碧眼の天姫―刀の後継者


『聞こえるか…千年…』

「うあっ!?」


頭の中に直接声が響いてきた。


「この声…ツチノカミ!


前より聞こえやすくなってる。ちゃんとはっきりと伝わる。


『この刀は我の依り代だ。扱い方は自ずとわかるであろう』


本当だ…………
刀から自分が何をすべきか伝わってくる。


―魂鎮めの謡…


『「荒御霊、乱れし気を諫めよ、鎮めよ」』


声が反響し、当たりに響き渡る。


「うがあああああっ!!!!!」


狂う美琴に届くように謡う。どうか届いて…



『「汝は清き御霊なり、狂気よ翡翠の海原へ」』


「っ…くうぅ…ぁっ……」


美琴が苦しげに呻く。
狂気が鎮まる兆候だ。



『「還りし時こそ謡となれ!!!」』



―リィィィン



光が美琴を包み込む。
俺はそのまま美琴の狂気を斬りつけた。











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