碧眼の天姫―刀の後継者
寄り添う風
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「…ん………………」
目が覚めると、あたしは千年と同じベッドで寝ていた。
「…すぅ…すぅ…」
隣で千年が規則正しい寝息で気持ち良さそうに眠ってる。
「…千年………」
千年の前髪を上げて額に口づけを落とす。
あたしはベッドを出て窓へと近づいた。
―ガラガラガラ…
窓を開け、ベランダに出る。
空は青く澄み渡っていた。
「…もう秋になるっていうのに……」
風はまだ暖かい。
気持ちがいい…………
「これから何があるんだろう…」
沢山の人が死んで、あたしが鬼になって…
兄様を殺して、母様が死んで…
狂気が暴れて……
「これ以上の悲劇って何?まだ終わらないの?」
澄み渡る空に尋ねても答えは返ってこない。
「美…琴………?」
―フワッ
突然後ろから抱きしめられる。声が掠れてるから、多分起きたばっかりなんだと思う。
「千年、まだ寝ててもいいんだよ?」
たぶん、まだ朝の6時くらいだ。