碧眼の天姫―刀の後継者
「何で…俺の傍からいなくなんの!?俺っ……」
千年の腕に力が入る。
さらに強く引き寄せられた。
苦しい………
でも苦しいほど実感する。
あたしはやっぱりあんたが好きだ。
「俺もう…美琴なしじゃ生きられないよ?今更…今更遠ざけられたって、離れられない!!!」
掻き抱くように抱かれる。
あぁ…何であたしはこの人をちゃんと拒絶しなかったんだろう…
ちゃんと、もっと早くあんたから離れてれば…
こんなに依存する事なかったのに…
「あたし…あんたには何も知らないままの平穏な世界で生きてて欲しかった…」
ただモデルという仕事に一直線に頑張ってる、そんなあんたの幸せを願ってた。
「血に汚れて、奪って…。奪われないように刀を握りしめる、そんな命の駆け引きの世界にあんたを、千年に知ってほしくなかった」
それすらあたしのわがままだ。あたしのせいで、千年は刀を手にとった。
普通の人間だったのに、千年は力を得た。
「あたしのせいだ…」
あたしが弱かったから…
千年に縋った。
「美琴…………」
千年はあたしの首筋に唇を落とす。