碧眼の天姫―刀の後継者


―ギシッ

「美琴、どういう事だ?」


威厳のある声であたしに問うたのはこの鬼葬島の長、白蓮 草助様。


―ゴクリと唾を飲み込む。

「…草助様……いえ、長!」


―サッ


膝を地につけ、頭を下げる。そんなあたしを草助様の威厳の瞳が見下ろす。



「美琴!!」

「千年、大丈夫だから」


駆け寄る千年に笑みを向け、草助様を見上げる。


大丈夫…か……
大丈夫なわけがない。


あの長の命に背いた。
これは禁忌だ。


「美琴、私の命に背いた報いを知っているだろう?」


「勿論です」


冷や汗が出る…
草助様がこの島をたった一人で守ってこれたのは、この気高さと圧倒的な気だ。


「弁解があるのなら聞こう」


「私は………」


言わなきゃ……
今度こそ自分も幸せになりたいから…


「…弁解ではなく、決別を告げたく思います」


そう、これはけじめだ。話し合で駄目ならば…



刺し違えてでも。
ここまでしなきゃ、草助様は納得してくれない。










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