碧眼の天姫―刀の後継者
「私はもう、ただ従うだけの手駒にはなりません。愛する人と生き、その世界を守る為にこの刀を振るいます」
あたしの本当の願い。
命を賭けて守る。
「天姫に、意思など許さぬ。私達とてその願いの為に世界を滅ぼす事は出来ない」
あたしの意思一つで世界を…
確かに、今までの方法はこの世界を守る為の最善の方法。
天姫の犠牲と引き換えに…
あたしは世界を滅ぼそうとしてるの……?
「違うよ、美琴と俺は世界を滅ぼすんじゃない、守るんだ」
迷うあたしの手を、千年が握ってくれた。
「千年………」
ありがとう……
「美琴にだって幸せになる権利がある、あんたが認めなくたって俺が無理矢理にだって幸せにするよ」
千年はあたしを庇うように前へと出た。
千年の背中………
ちゃんと見たの初めてかもしれない。
千年の背中……
こんなに広かったんだね…
あたしを守ってくれる頼もしい千年をあたしは…
「千年を愛しています、傍で寄り添って生きていきたい、だからあたしは全力で戦えます」
これはあたしの意思。
「俺は美琴の傍にいて、美琴の為だけに刀を振るうよ。でも……」
そう言って千年があたしの手を引いて立ち上がさせる。
「美琴が必死に守ろうとした世界なら、俺も必死に守る」
千年は笑みを浮かべて、繋いだ手に力を入れた。
まるで誓うように…