碧眼の天姫―刀の後継者
「…………紫水晶…?」
それは紫水晶の石が綺麗に加工されたペンダントだった。
「そう紫水晶。美琴、青と赤って混ぜると何色になるか知ってる?」
「……………紫…?」
「正解♪」
「???」
千年の糸が読めずに首を傾げていると、千年はあたしの頬に優しく触れた。
「美琴の碧い瞳も、紅い瞳も、俺は綺麗だって思う。だからさ、自分を否定しないで欲しい。狂ったって、俺が絶対に繋ぎとめてるから…」
あぁ…そうか…
この紫はあたしの色違いの瞳の色……
あたしがこの異色を否定しないように……
「千年……」
あぁ愛しい……
こんなに想っているのに、あたしの想いは千年に伝わりきらない。
あたしは……
この瞳を否定はしない。
「千年を守れた力だから。出会えた力だから…」
今なら…天姫に生まれた事を残酷だとは思わない。
「この瞳に、力に感謝してる」
正直な想い。
揺るがない思い。
「俺も、美琴を守れる力が今ある事に心から感謝してる。だから…美琴のせいだとか、違うからね?」
千年の力……
あたしの為に手に入れた力…
それを千年が望んでくれた事に幸せを感じる。