碧眼の天姫―刀の後継者

『ふふっ…いいわよ。あたしの狂気をあげる』


でも、狂気にのまれるつもりはないから。


『ふんっ…出来るもんならやってみなさいよ』


―バァァーーンッ!!!


「アアアアアアアアッ!!!」



あたしは狂ったように叫ぶ。


片目が紅い色に変わる。


「グッ…ウゥッ!!!」


狂気に…のまれそうになるっ…


『無駄な抵抗はやめれば?血が欲しくて堪らないんでしょ?』


くっ…黙れっ!!!!



―魂鎮めの謡

『「荒御霊、乱れし気を諫めよ、鎮めよ」』


声が反響し、当たりに響き渡る。


「千年っ…ウゥッ…」


千年の声が………
狂気を抑えていく……


『「汝は清き御霊なり、狂気よ翡翠の海原へ」』


「っ…くうぅ…ぁっ……」


狂気が鎮まっていく……



『「還りし時こそ謡となれ!!!」』



―リィィィン



光があたしを包み込む。
千年があたしの狂気を斬りつける。


「はぁっ…はっ……」


狂気が抑えられ、体が自由に動く。









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