碧眼の天姫―刀の後継者


「ナメルナ」

―スッ

「!!!!」


火鬼が目の前から姿を消す。

なっ…
一体どこに!!!?


「うぁっ!!!!」


すると、後ろで千年の悲鳴が聞こえた。


「っ…千年!!!」


振り返ると、火鬼が千年の首を掴んでいた。


「千年を離せ!!!!」


刀を振り上げ、火鬼の背後を狙う。


「ククッ…」

―ブンッ

「がはっ…あ…」


火鬼は千年を地面に叩きつけた。


神域が消え、火鬼の力が戻る。


「死ネ!!!」


―ザシュッ

「ぐっはっ!!」


火鬼の爪が体に突き刺さる。


「天姫ナド、力ヲ蓄エタ我ノ前ニハ虫モ同ジ」

「ぐっ…がはっ……」


火鬼は愉しむかのようにあたしから爪を離さない。








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