碧眼の天姫―刀の後継者


「やめ…ろ……」


―グサッ

「…ナンダ…オ前ハ…」


千年は、剣を火鬼の足に突き刺した。


「千…年…逃げっ…」


目覚めてから大分時間が経った。火鬼はもう力を完全に取り戻してる。


年を重ねるごとに火鬼の力も大きくなっているのかもしれない…


「貴様カラ殺シテヤロウ」

「やめっ…がはっ!!!」


―ドサッ


地面に体が叩きつけられる。


火鬼はあたしから爪を引き抜き、千年へ狙いを定めた。



駄目だ……
体が動かないっ…


このままじゃ千年がっ…


いや、だめ…
諦めたら、この人を失う。
戦わなきゃ……
絶対に死なせない…


―キィィン


天姫ノ刀が青白く輝き出す。


―ドクンッ


鼓動が早まる。
体が熱いっ!!!


―ドクンッ、ドクンッ


「ああああああぁぁっ!!!!」

―パァアアアアッ!!



あたしの体から、光が瞬き、弾け飛ぶ。









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