碧眼の天姫―刀の後継者


「火鬼ぃぃっ!!!!!」



天姫の想いを!!!
愛しい人を!!!


守る為に負けられない!!


―パリンッ


「馬鹿ナ……」


あたしの刀が、火鬼の力を突き破る。


―グサッ


「グギャギャーッ!!!」


火鬼の体を貫いた。


貫いた所から、火鬼の体にヒビが入る。


「キ…サマ……」

「終わり…よ…火鬼…」


―パリンッ


火鬼の体が粉々に砕け散った。


一瞬にして静まり返る。


―ガクンッ

「っ…」


体が元に戻り、力が抜け地面へ膝をつく。


「美琴!!!」

「…千…年……」


千年があたしを抱きしめた。


「しっかりして、美琴!!」

「…っ………」



傷が深い……
火鬼に刺された所が塞がらない。


とめどなく血が流れる。
なんだか眠くなってきた。


多分、鬼の回復力があればこの傷も癒えるだろう。


でも……
それには長い時間が必要になる。


「千…年…」


意識が途切れる前に、あたしは千年に伝えなきゃ…


あたしの願いを…










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