碧眼の天姫―刀の後継者
千年……
8年も経ったけど、あたしを受け入れてくれるだろうか…
他に、いい人が出来てたら?8年も眠ってたんだ。
普通なら…待たないよね…
なんだか気分が沈んでいく。だから空を見上げた。
「最後に見た空も、澄み渡ってたな…」
『空を見ていたら、日が暮れるぞ』
「あぁ、そうだね」
右手に持っていた天姫ノ刀から、天鬼が呆れた声を出す。
ここまでの道のり、天鬼がいたから楽しかった。
『千年の気配が近い』
「そう、なら急ごう」
あたしは駆け出す。
そんな時、建物についている、大きなテレビに、千年にそっくりな人が映った。
あたしは思わず足を止める。
「モデルから歌手になった思いなんかあれば教えて下さい」
司会者らしき人がマイクを向ける。
「そうですね、モデルから歌手になったというより、モデルも歌手も両方を頑張っていきたいです。色んな事にチャレンジしていきたいですから」
テレビの中で、彼は笑みを浮かべる。
「じゃあ千年さん、これからの抱負は?」
千年…!?
今千年って……
あの赤茶色の髪…
やっぱり間違いない!!
千年だ!!!