碧眼の天姫―刀の後継者
「歌手として、誰かの心に届くような歌を歌う事…ですね」
「そうですか。もしかして、届けたい人がいるとか?」
「そうですね。誰よりも大切な女性に」
―キャアアアッ!!
すると、周りから悲鳴が上がった。
「千年、好きな子いるの!?」
「嘘ぉ〜ショック〜!!!」
すごい人気!!
島にいた時のクラスの女子を思い出す。
「おぉっ!!どんな人なんですか!?」
「強くて、綺麗で…でも、本当はすごく弱いんです。それでも常に前を見据えてる…そんな女性です」
…千年……
なんか、改めて言われると恥ずかしい。
何言ってんのよ…馬鹿…
「女性とは頻繁に会っているんですか?」
「いえ、彼女が来てくれるのを待ってるんです」
…まだ…待っててくれてる?
あたし、会いに来たよ。
あんたに会いに…
「これ生放送でしょ、千年ってカッコイイよねー!!彼女の為に…」
「生放送ってどこでやってるかわかる?」
あたしは友達と話していた女の子に話し掛ける。
「近くの柳公園だったと…」
「柳公園ね、ありがとう」
あたしは教えてもらった道を走る。
千年に会える…
そう思うと涙が出た。